WordPressで多言語サイトを作る前に、まず知っておきたいこと。

WordPressで多言語サイトを作る前に、まず知っておきたいこと。


オリンピック開催が決まり、円安が進行する中、日本への観光客が激増しているというニュースをよく見ますね。
企業も今までのように国内だけで完結せず、国外へ出てビジネスチャンスを狙おうと考えているところが多くなって来ています。

そんな中、私が担当している取引先も、「サイトの多言語化」の波がやってきました。日・英だけでなく、韓国語、中国語、タイ語、などニーズは様々です。

多言語サイトってどうやって作るの?

1.国別のホスティングサーバにそれぞれWordPressをインストールする

多言語サイトを作る上で、つい先日行なわれたWordCamp Kansaiのこのスライドはまず先に見ておいた方がいいかと思います。私は当日、大阪に行く事はできなかったのですが、このスライドがとても参考になりました。

2015年 失敗しない! WordPress多言語サイト制作で 絶対に知っておきたいこと

日本国内のサーバーを使っていると、海外からアクセスした時に転送速度が遅くなることがあるっていうのは、たしかにそうですよね。でも実際、各国の言語版のWordPressをそれぞれの国のホスティングに設置するというのは、運用・メンテナンス的にあまり現実的とは言えないと思います。ただ、予算と人的リソースさえあれば、一番おすすめとのことです。

2.マルチサイトで作る

以前、サブドメインで日本語と英語のブログをWordPressマルチサイトで作るのをお手伝いしたことがありましたが、その時のやり方はこうです。

まず、example.comというドメインを取得し、WordPressをインストール。

ja.example.com
en.exmaple.com

そして、このようにサブドメインを作り、複数ブログを作って設定を行なう。テーマはそれぞれに実装できますし、デザインパーツの共有もできるので管理が楽です。
しかし、マルチサイト特有の設定が最初の時点で少しややこしいのデメリットかもしれないですね・・・。実際、私はまだマルチサイトで作るの、自信ないです。
そして大幅にカスタマイズされたサイトをマルチサイトにするのも、どこにどう不具合が出るのか予想がつかないので、怖くてできません。

また、日本語ブログの管理画面は日本語版WordPressで、英語ブログの管理画面は英語版WordPressを使いたい、みたいなことはマルチサイトではできません。使っているデータベースはひとつなので、そこは注意が必要です。

なお、サブドメイン型ではなく、ディレクトリ型(example.com/en)
でもマルチサイトを作ることはできます。

3.多言語プラグインを使う

今回のメインの話はここです。
「多言語プラグイン」ってよく聞きますが、一体どういうものなのか、私よくわかってませんでした。
日本語で記事を書いたら、Google翻訳みたいに勝手に英訳してくれるのかと思ってたくらいです(^^);;
実際はリライトしないと使えないですから、そんな簡単にはいきませんよね。

すべてのプラグインを試してみたわけではないので、間違った情報がありましたら、お知らせいただけると助かります。

WPML

wpml

WPMLのサイトを見る

有料プラグインです。多言語ブログ29ドル/1年、多言語CMS79ドル/1年で毎年更新料金がかかります。195ドルで「多言語CMS無期限」を選ぶと、更新の必要はありません。
WordPressユーザーを翻訳者に割り当てることが可能で、翻訳者は特定の記事にのみアクセスできるようになります。
また、コメント機能では、読む側が理解できない言語を使ってサイト訪問者がコメントを残した場合に、WPMLが自動的に機械翻訳を使って読む手助けをしてくれます。
さらに、多言語CMS版では、プロの翻訳者を紹介してくれて、簡易的な見積もりもとれるそうです。
カスタム投稿にも対応しているようで、有料だけあって高機能ですね。

Bogo

bogo

Bogoプラグインディレクトリ

有効化した状態で日本語の記事を書くと、「add English translation」というボタンが出てきますので、それをクリックすると同じ記事の英語版URLを生成してくれて、異なる言語ページ間の行き来が簡単にできるようになります。
お問い合わせフォーム「ContactForm7」の作者である三好さんが作った無料プラグイン。ContactForm7はWordPressを使っている人なら知らない人はいないであろう、超有名プラグインですし、日本人作者さんとのことで、信頼できます。

Polylang

polylang

Polylangプラグインディレクトリ

無料プラグインです。各言語に紐づくページが管理できるようになり、タグ・カテゴリもそれぞれの言語に対応できるようになります。Polylang Auto translationも一緒に入れると機械翻訳もやってくれるらしいですね。ただ、このプラグインを入れると動作が重くなるという意見も見かけました。また、このプラグインについて書かれた日本語記事が少ないな、と感じました。

qTranstate X

qtranslate-x

qTranstate Xプラグインディレクトリ

上記に出て来たWPMLやBogo、Polylangは、言語ごとに1つの投稿を管理する方法です。つまり翻訳された投稿はお互いに関連付けられ、ある投稿の翻訳投稿がどれなのかがワンクリックで行き来することができるようになります。
これに対して、qTranslateは、様々な言語の翻訳文をひとつの投稿内に含めるところが、WPMLやBogoとは異なる点です。

適切な多言語ソリューションを選択するために

適切な多言語ソリューションを選択するために

あなたのニーズに対して最も適切な多言語化プラグインを選択するには時間がかかることもあります。WordPress プラグインディレクトリの多言語化プラグイン(Multilingual タグ)の一覧を見てみてください。
コンテンツ戦略、データモデル、ブログ投稿・固定ページの総数、サイト訪問者の期待する動作やエクスペリエンスなどによって、複数のやり方があります。さらに、WordPress マルチサイト版の多言語化にはある程度サーバー管理についての知識が必要となるでしょう。
いずれにしても、多言語化プラグインのインストールの際にはどんなサイトであっても大きな変更を加えることになります。まずはテストサイトを作成し、必要なプラグインやテーマなどがすべてきちんと動くかどうかをチェックしておくのをおすすめします。多言語化プラグインはデータベースに大きな変更を加えることがあるため、実験の前にはデータベースバックアップを取ることも重要です。

Codexより引用:WordPressで多言語サイトを作成する

まとめ

いろんなプラグインがありますが、自分のサイトにどれが合うのかを見極めるには、サイトの規模やカスタマイズ具合、運用方法などによって決断のポイントはいろいろあると思います。

多言語プラグインを導入する際は、まずはしっかりとバックアップをとって、テストサイトで試してみる事をおすすめします。いろいろ設定をいじっているうちに、元の設定がおかしくなった?みたいな話も聞きますので、バックアップ大事ですね。

多言語サイト構築に関しては、私はまだよくわかっていない部分も多いのでこれからどんどん試して行きたいと思います。
まずは次回、Bogoを使った感想の記事を書いてみるつもりです。


shoko administrator

フリーランスのWeb制作者。WordPressのサイト構築、およびWebデザインとディレクション。専門学校HAL東京にてWEB学科の講師をしています。WordPressコミュニティに出没。趣味は合気道。