「効果的なアプリ/Web開発のための コラボレーションツール活用入門」
ということで、様々なツールをどのように活用して、効率的に開発を行なうか、ということに焦点をあてた内容です。
Web制作やアプリ開発はチームビルディングが重要
昨今、Web制作やアプリ開発をおこなう現場では、専門技術に分かれての分業が進んでいます。1つの案件で、「ディレクター」「デザイナー」「エンジニア」の3人程度で制作を進める場合もあれば、エンジニアの中でもサーバーを扱う「インフラエンジニア(バックエンドエンジニアともいう)」と、ブラウザ側の見た目をコーディングしたり、動きを制御する「フロントエンドエンジニア(マークアップエンジニアともいう)」のように役割分担をすることも多いです。
デザイナーと名乗っていても、コーディングまでできる人もいれば、そうでない人もいます。
ひとりひとり得意分野が異なる人材を、ひとつのチームにまとめあげ、制作を最終納品までもっていくために、私たちWeb制作者は日々様々な工夫をしたり、ツールを使ったりしています。
リモートワークの現在
私がフリーランスとして独立したのは2000年の10月で、すでに16年が経過していますが、当時はパソコンひとつで在宅勤務の個人事業主、という働き方自体が少ないものでした。しかし、ここ数年の周りの変化は目覚ましいものがあります。特にIT関係の会社によくある形として、会社に毎日出社する必要がなく、社員が自宅で仕事をするリモートワークのスタイルが徐々に広まってきました。中には会社自体がオフィスを持たず、社員全員がリモートワーク、というケースもあります。
多様なツール
この本で紹介しているツールについてご紹介します。
Part1 コミュニケーション
Slack
基本はチャットツールとして使用しますが、botを仕込んだり、いろいろなサービスと連携することで独自のカスタマイズができることから、Web系の会社で多く使われています。
チャットワーク
「仕事の効率化」をテーマとして、タスク管理やファイル共有などの使いやすい機能をひとつのプラットフォームで実現しました。
Web会議
私はこの章を担当させていただきました。Web会議をする上でスムーズに行なうためのポイント、資料や画面の共有方法などについてを具体的に示しました。
実際に事例として提示したツールは以下の3つです。
Part2 ソースコード共有と管理
Git
SourceTree
GitHub
Gitでは、自分のPC上にあるローカルリポジトリと外部サーバ上にあるリモートリポジトリの両方で開発を進めますが、GitHubは、このリモートにあたる部分を提供しているWebサービスです。複数人での開発をサポートしてくれる便利な機能が備わっていて、現在ではエンジニアにとって欠かせないツールの一つになりました。公開リポジトリは無料で使えますが、プライベート(非公開)リポジトリを利用したい場合は、有料プランに登録する必要があります。
Part3 ドキュメント共有と管理
Part4 ファイル共有
Part5 デザイン
Prott
Cacoo
Part6 プロジェクト管理
Backlog
複数人での開発を進めるだけでなく、案件発注者と課題別に議論を深めたりするのにも役立ちます。30日間無料で使えて、その後はプランごとに月極で料金を支払う形式です。
Trello
Part7 実際の利用実例
- Slack + Trello + Backlog
- GithubのプルリクエストによるGithub Flow
- チャットワーク + Zapier + Gmail + Googleカレンダー
- Typetalk + Backlog
まとめ
こんなにたくさんのツールを使いこなすなんて、大変!と思ったかもしれません。
しかし、必ずしもすべてのツールを使いこなす必要はありません。
これらのツールは「作業を効率化し、業務を円滑に進めるためのもの」であり、もしもツールに振り回されて作業が滞るようなことがあれば、それは本末転倒です。
まずは一度試してみて、自分に合ったツールを見つけるところからはじめてみてはいかがでしょうか。