Webデザイナー フリーランス 歴16年の変遷とこれからの目標

Webデザイナー フリーランス 歴16年の変遷とこれからの目標


フリーランス のWebデザイナーとして活動して16年目になりました

この記事は、フリーランスアドベントカレンダーに参加しています。フロントエンドエンジニアのコウワキさんからバトンを受け継ぎました!

フリーランスになったのは2000年の10月から

私が個人事業主のWebデザイナーとして独立したのは、2000年の10月。
それ以前は、デザイン事務所で正社員として働いており、毎日徹夜の生活を送っていました。月曜の朝出社したら、土曜の昼まで帰れない。いつも明け方の数時間机の下で、キャンプ用の寝袋の中で寝てました。体力的には厳しいものでしたが、「いつか独立してフリーランスになるための修行の時期」と割り切って考えていました。

90年代後半は「ウェブデザイナー」という職種ができて間もない時期でしたし、当時勤めていたデザイン事務所も10人程度の小さい会社だったため、クライアントとの打ち合せから、見積もり、デザイン、コーディング、納品まですべての工程で関わらせてもらうことができました。
この時貴重な経験をさせていただいたおかげで、ディレクションとデザイン・コーディングを全部一人で行なう技術を身につけることができ、独立後も途切れる事なくお仕事の依頼をいただくことができています。

求められるスキルの変化

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独立した当初、2000年代前半は、どのくらいのスキルが求められていたかというと、Photoshopでデザインができて、コーディングはテーブルレイアウトのHTMLさえできれば、仕事には困らなかった時代でした。
ところが今では、HTML/CSSは当然として、求められるスキルが多岐に渡るようになってきています。
WordPressを使うなら、PHPやJavascriptは必須ですし、Gitやsassを使うためには、黒い画面を使うことも覚えなくてはなりません。さらにはWebは作ったら終わりではなく、結果を出さなければならないので、場合によってはWeb解析だのマーケティングの知識も必要になってきたりします。
とてもじゃありませんが、全部ひとりでやるには、荷が重すぎます。

社会の中で、たくさんの役割を持つことができる幸せ

そんなわけで、会社に就職する気はなかったけれど、苦手分野を助け合える仲間が欲しいと感じるようになり、WordPressの勉強会に参加したり、コワーキングスペースに行ったりするようになりました。
今では、茅場町のコワーキングスペースCo-Edoのスタッフをしたり、WordPressの勉強会のボランティアをしたり、もちろんWebデザイナーとしての仕事も続けつつ、家では妻として、母として、いろんな顔をもちながら、大変ながらも充実した毎日を送っています。

どうして16年も続けて来れたのか?

フリーランス として働くイメージ
初めて会った人に「Webデザイナーを16年やっています」と言うと驚かれる(ひかれているのかも∑(゚Д゚)?)のですが、そういう時、もしかしたら「なぜディレクターやプロデューサーにならないの?」とか「会社にすればいいのに」とか思われてるのかもしれません。
正直なところ、そこまで売上がたくさんあるわけではなく、技術力がずば抜けて高いわけでもなく、人を雇って指示を出したりするのも得意ではないのです。一人で坦々と業務をこなし、時々誰かに手伝ってもらいながら受託制作を続けて行くのが性に合っているのだと思います。

今日は、そんな私が長い間この仕事を続ける事ができた理由についてお話しようと思います。

旦那さんが会社員だった

独立した翌年に結婚した旦那様は会社員でした。
子どもが生まれて育児が忙しく売上が芳しくなかった時期や、取引先が倒産してしまい私にとってはかなりの額の制作費を払ってもらえなかった時も、生活の心配をする必要がなかったのは本当にありがたかったです。

ネットでわからないことを調べるのが苦じゃなかった

新しい技術やWebサービスが登場すると、まず試してみて、わからないことがあったらひたすら調べる。
その繰り返しをずっと続けてきました。
1996年の頃は、インターネットに繋ぐ方法を雑誌や図書館で調べるだけで1ヶ月近くかかったのにもかかわらず、今では検索すれば知りたい情報に辿り着ける。それだけで本当に便利な世の中になったなあ、としみじみ感じます。

需要のある技術を見極めて、流れに身を任せる

2000年代前半は、デザイン業務以外ではテーブルレイアウトのコーディングとFlashアニメーションの仕事がほとんどでした。その後スタイルシートが使えるようになり、ブログシステムが登場した頃から、MovableTypeを使うようになりました。CMSの流行が大きくなるにつれて、WordPressでの依頼が増え、現在では7〜8割程度の受注案件がWordPressの制作です。

「その時必要とされている技術」をうまく使いこなしていくことが、フリーランスWebデザイナーの生きる道、なのかなあと思います。

そういう意味では、自分の慣れている方法に固執しないというのも、重要なのではと思います。

フリーランスで仕事をしているあなたへ

「どういう働き方をすれば幸せになれるのか?」を考え続けよう

フリーランスで仕事をしていると、いろんな壁にぶつかります。
思うように売上があがらない、せっかく受注した案件なのにクライアントとうまくいかなかった、生活のリズムが乱れて健康的な生活を送ることができない、、、など。
そういう時は、「どんな働き方をすれば自分は幸せだと感じる事ができるのか?」を問い続けましょう。

  • 今は修行の時期だと思えば、ひたすら目の前の仕事をこなすもよし。
  • どうしても人として一緒に仕事できないな、と思った人とは少しずつ距離を置いて離れて行くもよし。
  • 大手企業の案件を実績にしたい!と思うなら、そのための努力をするもよし。
  • 面白いなと思える事を、採算度外視でやってみるもよし。

ただひたすら仕事をこなしているだけでは、幸せにはなれません。
なぜこの仕事をしているのか?ゴールはどこにあるのか?
1年後、5年後、10年後の自分を思い描くようにしていると、自然と「そのために今自分は何をすればいいか」が見えてくると思います。

新しい場所に飛び込み、新しい人と出会い、新しい技術を学ぶことを恐れない

個人事業主は孤独です。
なにもかも、自分ひとりで判断し、考え、決定し、実行しなければなりません。
それでも、人と会って話をする機会は本当に重要ですし、なんとなく友人としている雑談の中から、新しいビジネスのタネが見つかることも多いはず。

時代の流れに身を任せ、生き延びていくためには、新しい場所に飛び込み、人と出会い、技術を学ぶ事を恐れない。

孤独な作業を続ける時間が長い人ほど、意識的に新しい刺激を得られるように努力する必要があるのではないでしょうか。

これからの目標

この16年、決して順風満帆にきたわけではありません。
いろいろと苦労を重ねる中、いつも小さな目標を掲げながら、生きてきました。
そんな私が次に掲げる目標のひとつは、
東京以外の、どこか今まで行った事のない場所に住んで、暮らしてみる。そこで知り合いを増やして、仕事も今まで通り続けて行く
ということです。家族のことを考えると、あまり現実的ではなく何年先になるかわからない目標なのが現実ですが。いつか実現するための準備期間として、できることを少しずつやっていこうと思います。

最後に、今現在フリーランスのみなさん、これからフリーランスとして独立したいという方に贈る言葉です。

「変化を恐れるな、流れにうまく乗り、今を楽しむ事を大切に」


shoko administrator

フリーランスのWeb制作者。WordPressのサイト構築、およびWebデザインとディレクション。専門学校HAL東京にてWEB学科の講師をしています。WordPressコミュニティに出没。趣味は合気道。