ミャンマー滞在記 Feb.2020

ミャンマー滞在記 Feb.2020


この記事を書いているのは、5月のGWなのでもう2ヶ月半も前のことなのですが、忘備録として2月に行ったミャンマーのことを書いておこうと思います。

2020年の2月は、アジア地域のコミュニティが集まってWordPressの大きなイベント「WordCamp Asia」 がタイのバンコクで行われる予定でした。
しかしコロナウィルスの影響を考慮して、事務局がイベント自体を取りやめることを発表したのが2月の半ば。私は日本を出国する予定日の4日前でした。

この時期、日本ではクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の客船内での感染者増加についてニュースになっていましたが、市中感染はまだ始まっておらず、「対岸の火事」という認識でした。

私自身は、今回のタイ行きの前に、ミャンマーに立ち寄る予定にしていたため、旅行そのものを取りやめるという選択肢はあまり考えておらず。
なんとか家族を説得して、行くことにしたのです。

とはいえ、中国人の入国制限を始めている国が多かった時期でしたから、もしかしたら出国はできたとしても、旅行中にタイやミャンマーでのの感染が拡大して、「帰ってきた時に日本に入国させてもらえない可能性」がふと脳裏をよぎったことは確かです。

憧れのミャンマーに初入国

私は大学の卒業論文がミャンマーの民主化運動についてでした。
1988年の大規模な反体制デモの後、軍事政権が長く続いた期間に自宅軟禁状態にあったアウンサン・スー・チー氏に興味を持って、図書館で本を何冊か読んで書いただけのお粗末な論文でしたが、いつかこの国に行ってみたいと思っていた若かりし頃。

軍事政権が終わり、選挙による民主政治が始まったころには、「よし!今度こそ行ける!」と思いながら数年が過ぎていました。

そんな私にとってようやく叶ったミャンマーでの初日の夜。

ここは首都ヤンゴンの中でもかなり外国人の多い地区。ホテル近くのチャイナタウンです。
30年前のバンコクにバックパッカーで旅行したときの「カオサンロード」のような雰囲気。

友人と合流して19th 通りでの屋台の夕食。
いやー活気があっていいっすね、、、
これを書いている5月4日の時点では、もう夢のような気分ですよ、、、もう長らく友人と食事なんてできていない。

屋台のごはんを堪能

ミャンマーで最も美味しかったのは、やはりミャンマー人の国民食「モヒンガー」です。川魚(ナマズ)で出汁をとったスープに、バナナの茎や玉ネギ、レモングラス、ニンニク、ショウガなどを加えた米粉の麺料理。見た目はイマイチですが、胡麻味噌スープのような複雑な味わいがあり、実に美味しい。

昼も夜もあちこちに小さな屋台が出ています。
お客さんが多く座っているところが人気の店なのだな、と目星をつけていろんな店のモヒンガーを試してみました。価格はどの店も500チャット(38円)程度。
ちなみにタピオカミルクティーは2500チャット(190円)でした。

ミャンマーの仏教事情

敬虔な仏教国ミャンマーでは、国民は一生のうちに1度は出家することを推奨されています。基本的には出家するのは男性のみですが、女性でも希望すれば出家することも可能だそうです。

朝の托鉢の様子。

日本の仏教が「大乗仏教」であるのに対し、ミャンマーで信仰されているのは「上座部仏教」です。

簡単に違いをまとめると・・・

  • 上座部仏教
    • 出家して修行を積んだ人だけが悟りに達することが出来る、という考え。逆にいうと、出家して徳を積まないと救われません。
    • スリランカ、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーなど
  • 大乗仏教
    • 上座部仏教では修行した人だけが救われるのに対し、「大きな乗り物ですべての人々を救う事」を目的としたのが大乗仏教。
    • 日本、中国、チベット、朝鮮半島など

ちなみに、上座部仏教仏教=小乗仏教なのですが、「小乗仏教」という言い方は、大乗仏教が出てきたあと、呼ばれるようになった差別的な言い方のため、近年では「上座部仏教」と呼ばれているそうです。

出家することで徳を積む

今回、現地の会社でミャンマー人を雇っている人から聞いた話。
ご本人(男性)は出家することにあまり乗り気ではなかったけれど、奥さんに懇願されて3日間だけ出家した、という人がいるそうです。
「3日だけ!?それでいいの?」というツッコミどころは置いておくとして、「奥さんに懇願されて」というところがすごく意外で興味深かったのですが、出家する機会がほぼない女性にとって、「夫が出家して徳を積む」ということは妻の立場からすると誇らしいことなのかもしれません。

ラボ型の受託開発をしている現地企業に行ってみた

友人の中島真洋さんが出資・参画しているラボ型の受託開発会社 innovasia がミャンマーにありまして、開発者の方達と食事会に行きました。

一部の方は日本語ペラペラ。英語ももちろんOK。
PHP, Ruby on Rails, Swift, C#などそれぞれ得意分野の異なる優秀な方達ばかり。そして皆さん謙虚で穏やか。ミャンマー人は気質が日本人と通じるという話は前々から聞いていましたが、本当にその通りで、ますますミャンマーが好きになりました。

エンジニアという職種でも、ミャンマーでは女性が多いんだそうです。
高学歴な人の場合、男性が選ぶ職業としては医者や建築関係が人気なのだそうな。そこまではわかるのですが、特に人気なのが「船乗り」。本当でしょうか?
IT業界はその次くらいのところらしいです。

この時に知り合いになった人が、4月に日本に来るということだったので、また会えるのを楽しみにしていたのですけれども。
結局、コロナウィルスの影響が3月に大きく広がり、4月に入って日本は緊急事態宣言が出たことにより、それどころではなくなってしまいました。
ちなみに、この記事を書いている5月4日の時点で、ミャンマーでの感染者数は155人。死亡者数は6人です。

平均年齢が若く、まだ高齢者の少ない国ですし、アジア人は重症化することが少ない傾向があるようなので、人口比の死亡者数はかなり少なめ。
今後どうなっていくのか先行き不透明ですが、収束した暁には、もういちどミャンマーを訪れてみたいなぁ、、、と考えている私です。


shoko administrator

フリーランスのWeb制作者。WordPressのサイト構築、およびWebデザインとディレクション。専門学校HAL東京にてWEB学科の講師をしています。WordPressコミュニティに出没。趣味は合気道。