WordCamp 男木島で考えた、この先の生き方

WordCamp 男木島で考えた、この先の生き方



男木島は、瀬戸内海に浮かぶ人口 160 人ほどの小さな島です。
ここで WordPress のイベントである WordCamp が行われるということで、参加してきました。
この島には WordPress を通じて知り合った友人が数人移住をしており、私は2年前の夏と冬に遊びに行きましたので、今回が3回目の来訪となります。
なぜ、離島でITイベントが行われるの?という疑問をお持ちの方は、こちらの記事をどうぞ。

2018年7月15日開催のWordCamp 男木島、実行委員長から裏話を。

WordPressを通じて知り合った仲間と初めての旅

私は東京在住ですが、地方や海外の勉強会に時々参加しています。
毎回一人旅で行き、現地で知り合いと合流するパターンが多いのですが、今回は初めて出発の飛行機から友人と一緒に旅をしました。

前日の夜は全国各地のユーザー達と合流

イベント参加の目的は、技術的な知識を手に入れるというよりも、普段SNSのタイムラインで見ているWordPressユーザーさんと交流すること。

タイムライン上では見かけてなんとなく知っているけれど、初めて直接お会いすることができた方々も多く、いろいろ話をすることができました。

イベント参加者とスタッフだけが乗るフェリーで男木島へ

そして次の日の朝。男木島には、高松からフェリーで30分ほど。
通常は、女木島経由で向かいますが、今回はイベント参加者専用のチャーター便が出るのです!
しかも、フェリーにはイベント名が書かれた横断幕が!!すごい。これはテンションあがります〜

乗船中にイベント参加者向けのアナウンスがありましたが、この演出も素敵だった!!
あとから知りましたが、香港在住のWeb制作者、@chiakiさんによるアナウンスだったんですね〜。
彼女とはタイのWordCampで初めて知り合ったのですが、男木島で再会!!
いつか香港にも行ってみたいな〜。

体育館で行われたセッションは暑さとの闘い

男木島に到着。セッションが行われる体育館に到着。


しかし暑い!気温は36〜38℃の猛暑です。
前日から、いきなりシャットダウンして再起動を繰り返す、という怪しい挙動をしていた私のiPhoneは、体育館に足を一歩踏み入れた段階で全く起動しなくなってしまいました。。。
なので、会場写真は@manuelさん鍋島奈保子さんが撮影したものをお借りしました。

iPhoneだけでなく、自分もだんだん具合が悪くなる

昼食後、休憩をはさんで最後のセッションまで見ることができましたが、夕方にはiPhoneだけでなく私の体調も悪化。
冷えピタシートや冷感スプレーを駆使し、ドリンクスポンサーが用意してくれたお茶や水を飲みながら対処をしてみたものの、このままでは倒れてしまうと思い、友人の清野君が借りている家へ一時避難しました。クーラーのきいた八畳間があるので、そこでしばらく横になって休んでからキャンプ場に移動です。

体調が思わしくない中、なんとか「よし、行こう!」と覚悟を決めて徒歩30分のキャンプ場まで歩いている途中、車で移動しているスタッフが通りかかり、一緒に乗せて行ってもらうことができました。
た、助かった。。。。
ここで倒れては、シャレにならん。
最近は合気道で基礎体力をつけるように頑張っているつもりですが、まだまだです。。。。。

バーベキューとテント泊をしながら交流

いよいよ交流タイムです。スタッフが準備してくれたバーベキューをいただきながら、いろんな人と話します。
会話の中で、「あっ、この人をあの人に紹介したら、つながりそう!」という瞬間が何度かあり、橋渡し役をすることができました。
これぞ私の本分、「世話焼きおばさん」です!!

WordCamp東京2017では「世話焼きおばさん」と化す

以下は、テント泊の夜に、仲間内のグループチャットでつぶやいた私の感想。

東京とか羽田とか次のWordCampの企画が、この男木島でいろいろ決まって行くのを見られて、なんかすっごくワクワクしてきた!
ここで新しく知り合った人と次のステップに向かう瞬間に立ち会えてめっちゃ幸せ:heart:来てよかったわー。

「人を知る」ということ

そしてここで、スタッフ鍋島奈保子さんがFacebookに書いていた言葉を引用。

実行委員メンバーの背中や横顔をいろいろな場面で垣間見ては、この人のこういうところ素敵だな、心強いな、救われたな、見習いたいな、格好いいな、好きだなあ…と。一人ひとりの良いところにいっぱい触れることのできた幸せな日々でした。会話を通してはもちろん、会話をせずとも、終始そんなシーンで溢れていました。皆がその先の誰かのために考え、行動をし、それが幾重にも重なり合ったただただ温かい時間でした。

とてもよくわかる。
こういう経験があるからこそ、無償でもイベントボランティアをしたいと思う。
そして私はまた人の暗黒面に触れるのも嫌いではないのです。
(自分自身が巻き込まれない範囲で)

ただ「楽しかったね」というだけでなく、イベント運営にまつわる意見の相違や軋轢、そういうものを全部ひっくるめて、
「人を知る」ということが今後10年の私のテーマのような気がしてる。

そして今後、どのような人生を生きるか

今回のセッションは、技術の話だけでなく、働き方や生き方をじっくり考えさせられるセッション内容が多かったと思います。
WordPressを使うということははきっかけのひとつにすぎず、実際の「働き方・生き方」の内容についてのセッションが興味深かった。

額賀さんは、男木島図書館を開設し、今も運営している経緯について

「オープンソースである」ことで、移住者や後継者問題への解決につながっていることとか。

マイクさんのお話では、これまでにどんな人からどんな学びを得たのかということについて

ご両親や上司、WordPressコミュニティの人達、友達から素晴らしい学びを得て、今の自分があるということを話されていました。

男木島のパン屋&罠猟師&カフェ経営をしている、ダモンテ海笑(かいしょう)さん

参加者250人分のランチを徹夜で準備してくれたダモンテさんは、パンの酵母の発酵をコミュニティマネジメントとかけていて、うーん!上手いこと言うな!!と膝をうちました。
今回のイベントテーマ「一人一人の力」にも、マッチしてましたね!!

そして印象に残ったのは、この言葉です。

「売れるもの」より「情熱を注ぐことのできるもの」

「売れる」ものを作ったり探し出したりして、それを売ることでビジネスにしている人は多いけれど、それよりも、そのプロダクトが「本当に自分が情熱を注ぐことのできること」なのかどうか?をもう一度考えてみる。
売れまくって大金持ちにはならなくてもいいから、この一点を強く意識していきたいと思いました。
たとえ毎日の仕事に納得がいかなくて、日々を鬱屈とした気持ちで過ごしていたとしても、それが自分の思う最終目標(たとえば家族を支えるとか)のためなら、全く問題ない。
ただそこで、できることなら、納得のいかない仕事を、どうやったら「納得のいく仕事」に変えていくことができるのか。その努力だけは、あきらめないで続けていき、どうしてもダメだったら、離れる決意をしていきたいな、と思いました。

改めて自分が思ったこと

仕事をどうやって広げるか、じゃなくて「自分がどういう生き方をしたいか」であらゆる選択をする。

  • 会社に所属するという形式をとらなくても、自分個人が本当に何をやりたいのかを見極めるのが大事
  • 人と人をつなげる橋渡し役のコミュニケーションをやりたい
  • そこから新しいコミュニティができたり、イベントが開催されたりして広がっていくのを見るのが好き
  • イベントや人との交流を通じて、誰かが影響を受けて変わっていくのを見るのが好き
  • もちろん、自分が変わっていくのも楽しい
  • 人が成長していく様子を見るのも好き(子どもも大人も)
  • 自分は赤ちゃんと触れ合うことで自分自身が癒される
  • いろいろ考えたこと

    長くなってきましたが、最後に帰りの飛行機の中で書いたメモを記しておきます。

    <人は変わっていくもの>

    やりたい方向や生き方が変わって行った時に、別れもあるけれど、そこから新たな道を探していく方がいい
    どこかに深く所属してしまうと、離れるべき時に実際に離れるのが難しくなる

    <旅について>

    観光地を巡る旅もいいけれど、それよりも旅の中で「人を知る」ということが好きなのだという事に気付いた
    この人が何に興味を持っていて、どんな性格で、これから何をしようとしているのかを知っていくことが好きなのだと。
    深く知りすぎると、興味がなくなってしまって離れたくなる、という面もある。
    人を知るっていうことがやっぱり一番旅の醍醐味だなと思った。

    <制度や社会のルールについて>

    制度やルールに縛られて身動きできなくなるよりは、可能な限り柔軟に意志を持って選択をしていきたい

    <友人について>

    友人関係というのは、社会生活をする中で唯一制度から切り離された人間関係
    会いたい時にお互いが望めば会ったらいいし、タイミングが会わなければ数年でも数十年でも会わなくていい。
    そして、今はSNSを通じてお互いの近況をある程度知ることはできるので会わなくても相手に想いを馳せることはできる。

    WordCamp Tokyo 2018 に向けて

    「みんなで作る」ことにも意義がある。でも、ただ楽しいだけじゃなくて、そこから何か新しい人間関係やプロダクトが生まれたり、イベントや勉強会が始まったりすることが素敵だと考えています。
    9月のWordCamp 東京に向けて、まずはやれることをやりきろうと思います。


shoko administrator

フリーランスのWeb制作者。WordPressのサイト構築、およびWebデザインとディレクション。専門学校HAL東京にてWEB学科の講師をしています。WordPressコミュニティに出没。趣味は合気道。